江戸文久元年(1861年)創業、現在の店主は7代目という老舗和菓子店。
甘いものが苦手、あんこが苦手という人には、ぜひここのどら焼きを一度食べてもらいたい。かなりの確率で苦手じゃなくなる。ちなみに私はそうでした。
近所の住人でなければ、偶然店の前を通りかかることはあまりないだろう住宅街の中に、静かにたたずむお店。
私はよく近くを通るので、ふらりと「どら焼きまだありますか?」と寄っていますが、大抵は売り切れていることが多いので、確実に買いたい場合は前日までに電話予約しておいたほうが良いです。
どら焼きは“大判”と“小判”の2種類があり、餡の量はそれほど変わらないのだが生地の分量が違う。
“大判”は、いわゆるよく見かけるどら焼きの形で、丸い生地2枚で餡をはさんだもの。
一枚一枚職人さんが手作業で焼いたどら焼きの皮は、厚めで1センチほど。触った感じは程よい硬さがありつつも、パサつかずしっとりとしている。皮だけをちぎって食べると甘さはかなり控えめで、それよりも焼き目の香ばしさが強く感じられる。口の中で甘い餡と混ざると、キャラメルのような味わいに。
“小判”は楕円の生地を二つ折りにして餡をはさんだもの。このみっしり感。
北海道十勝産の厳選小豆を、圧力鍋を使わずにとろ火で4~5時間毎日煮込んでいる。機械で混ぜると粒が潰れてしまうため、職人さんが手で丁寧に混ぜるそうだ。
手間を惜しまない伝統の技。一方で、伝統に固執せずに時代の変化に柔軟に対応もしていて、砂糖が貴重だった時代の甘い甘い餡に比べ、最近は甘さ控えめにしているんだそう。お客が何を求め、どうすればより美味しくなるか。その研究を日々怠らないことがこだわりとは、さすがは7代続く名店。
いたってシンプルな原材料表示。
東京にはどら焼きの名店が多いのですが、私の一番のおすすめはこの清寿軒のどら焼き。豪快で食べ応えがある小豆をメインで楽しみたいなら、小判がおすすめ。しつこい甘さもない。
もともと甘さ控え目の餡だが、更に甘さを控えて、こだわりの生地もたっぷり味わいたいなら大判。
暖かいお茶といただく最高のおやつ。どら焼きは奥が深い。
本日のお会計
大判 220円/小判 200円
アクセス
人形町駅(日比谷線、都営浅草線)徒歩5分
三越前駅(半蔵門線、銀座線)徒歩7分