本日のランチは日本橋玉ゐ、昭和28年に建てられたという酒屋を改装した木造の店舗は、いかにも老舗らしさを感じさせるが、創業は2005年と割と新しめの珍しいあなご専門店。
元寿司職人のオーナーが職人仲間と始めたお店で、味は本格的な和食。ミシュランのビブグルマンを何度も獲得していて、味は保証付き。
14時少し前。カラカラと入口の引き戸を開け店に入る。
店内に入った瞬間、タレの甘い香りに食欲が刺激され、それに加え柚子や山椒の香りも期待を高めてくれる。
ランチタイムには少し遅めだからか待たずに席へ通された。映画のセットのような店内で、歴史を感じる木造の間取りと柔らかな電球の明かりを眺めていると、すぐに店員さんがお茶を運んできてくれた。
「お茶入ります。熱いですので気をつけて。」
キビキビとしながらも、慌ただしさを感じさせない柔らかな物腰。一気にリラックスできる。
注文したのは、“う巻き”ならぬ“あ巻き”、看板メニューの箱めし、それに穴子のお出汁を付けた。
穴子を包んだ薄味の繊細な出汁巻。柔らか過ぎないしっかりとした食べ応え。卵の半分に甘い穴子のタレ、大根おろし添え。タレの部分と、さっぱり大根おろし。交互に楽しめる。
箱めしは、小箱、中箱、大箱、めそ箱めしと4種類あるが、今回はめそ箱めしを注文した。
「めそ」というのは小ぶりの穴子の事で、小骨が気にならない柔らか仕上げの穴子が乗った箱めし。ちなみに、穴子の食べ方は“煮上げ”と“焼き上げ”、“合いのせ”の3通りある。
煮上げ ・・・ お箸ですっと切れて、口に運ぶとホロホロ。穴子の柔らかさが楽しめる。
焼き上げ ・・・ 一口ごとに鼻に抜ける、香ばしく焼き上げた穴子の風味を堪能できる。
合いのせ ・・・ “煮上げ”と“焼き上げ”を1枚ずつ味わえるお得な食べ方。
おろしガネに柚子が摺ってある。小さな竹のブラシで、ジャッジャッと払って柚子の香りを纏わせる。これぞ和の趣でとても楽しい。他には、ネギ、ゴマ、かなり痺れ強めの山椒に、新鮮な香り高いわさび。箸休めにわさびだけ少し食べても美味い。
お味噌汁はさっぱりと酸味のある赤だし味噌汁。甘いタレのご飯の後、口の中が何度でもリセットされて、次の一口に新鮮な感動をくれる。
箱飯と一緒にお出汁を注文しておくと、食べている途中で、鉄瓶にアツアツのお出汁を注いでくれる。ひとかけら骨せんべいが浮いてくるという楽しいエンタメ要素も。
お椀にご飯と穴子と薬味をよそい、お出汁をかけて、ひつまぶし風にもいただいて一息。1口目食べた後の幸せのため息で、鼻に抜けるお出汁と穴子の香りを堪能する。
鰻より淡白な穴子は、鰻よりもあっさりたくさん食べられるので、空腹ならご飯は大盛り推奨。無料ですよ。
穴子と一緒にご飯を食べ進めて、余ったご飯には残りのお出汁をかけて、お漬物で締めの出汁茶漬け。これで満腹。満足度100%のちょっと贅沢ランチ、おススメです。
本日のお会計
めそ箱飯 1,800円/お出汁 200円/う巻き 1,000円
合計 3,000円
アクセス
日本橋駅(東西線、銀座線、都営浅草線)徒歩2分