本日のランチは甘酒横丁にある、明治10年創業140年の歴史を持つ老舗。志乃多寿司総本店で折詰を調達。午前のうちにあらかじめ電話で注文しておき、ランチの時間になっていそいそと店舗へ出向く。
にぎやかな通りの中でしっかりと静かな存在感を放つ店先。中に入って取り置きをお願いしていたと名前を伝えると、穏やかそうな店員さんが手際よく折詰を渡してくれた。
本日のお目当ては旬の魚を使った、季節限定の押し寿司だ。しかし定番のいなりずしも外せないので、詰め合わせもセットで購入。さっそくオフィスの休憩室でいただくことにする。
こちらが季節限定メニューの中でも絶品。冬季限定のブリと千枚漬けの押し寿司。
なんと見た目が美しいこと。白い千枚漬けにのる黄色い柚子、ピンクのブリの断面。冬らしい彩り。食べる前から見た目がまず美味しい。
脂の乗った寒ブリに千枚漬けの甘酸っぱさ。一欠片乗った柚子の香り。志乃多の寿司は二口で食べるのが良い。一口目に柚子を持ってくるか、二口目に回すか迷う。
歯ごたえのある千枚漬けを噛んでいるうちにブリが溶けて、一体となる。爽やかな香りとコクの余韻を味わって。甘さ控え目のしょっぱいガリをつまむ。ブリの脂をリセットして感動をもう一度。押し寿司なのにお酢が控えめで、シャリも固すぎない絶妙さ。
続いては定番メニューのいなり、のり巻き、錦巻きと3種類入った楽しい詰め合わせ。
見よ、この美しい照り。有名すぎる日本橋の手土産、看板メニューのいなり寿司“志乃多”は、大きさも製法も創業以来変わらない。職人から職人へ受け継がれた伝統の味は何度食べても感動的だ。
普通より薄い特注の油揚げを油抜きをし、砂糖・醤油・みりんで味付け。砂糖は白ざらめ・赤ざらめ・沖縄の黒糖と三種類を混ぜて使うのが、伝来の味の秘訣だそうだ。そして一回煮て冷蔵庫で3〜4日味をしみ込ませてから、もう一度煮ることで、薄い油揚げにしっかりと味をつけられている。
別格に旨いものには相応のこだわりと手間暇がかかっているのだ。
こちらも二口で味わうのがおすすめ。だってHPにもそう書いてある。一口目はよく噛んで繊細な薄いお揚げに深くしみ込んだコクを味わう。しょっぱいガリを挟んで、二口目にお揚げの甘さとのコントラストを楽しむ。
続いて錦巻きとのり巻きも。
甘い卵焼きにまかれた錦巻き。中はごま塩と干瓢。甘くて、しょっぱくて、徐々に黒ゴマの風味が広がる。素朴なのに味わい深い。細巻きは干瓢巻。一口で海苔の香りに包まれ、これまた別の味わい。
たった折詰2つで、高級寿司店のコースを堪能したような満足感。計算された風味と食感、季節感までもが詰め込まれた老舗の折り詰めは、複数人で色々な種類を買ってシェアしたり、お弁当として外で食べたり楽しみ方も色々。もちろん一人でこっそり至福の時を過ごすのにも最適です。
本日のお会計
ぶりと千枚漬けの押し寿司 1,300円/錦巻詰合せ760円
合計2,060円
アクセス
人形町駅(日比谷線、都営浅草線)徒歩3分
水天宮駅(半蔵門線)徒歩5分